本人確認書頼もちゃんと提示した。申込書にはウソ偽りなく赤裸々に素

審査方法の基礎知識

本人確認書頼もちゃんと提示した。申込書にはウソ偽りなく赤裸々に素性を証した。そしてそれの言質
も目の前で取ってもらった。OKだった…。さあ、ウォーミングアップは終了だ。いよいよ本チャンの開始で
ある。この”関所”を超えなければ、今日一日の行動はすべて水の泡と化してしまい、場合によっちゃあ
お金ではなく(濡れ手で)粟をつかむことになりかねない。といっても、この段に進めばもうアナタは
”まな板の鯉状態”なのでどーすることもできないわけだが…。晴れて融資を受けて、ルンルン気分で
店を出ることができるのか、あえなく「お断り」を食らいトボトボと手ぶらで出なきゃならないのか。運命の
わかれ道…。ここからが肝心カナメの「審査タイム」である。基本的に”ふたつ”のルートから導き出された
要素を最終的には一元化して判断材料の素とする。ひとつは「自社による自動与信システムの活用」
で、これは「スコアリング」と称されている。各社それぞれ、自社における過去の膨大な取引データを基
に独自の切り口や捉え方で属性に優劣を付けたり、組み合わせたりして診断材料のベースとしている。
そして、もうひとつが外部の信用情報機関の活用である。各業態ごとにテリトリーが分かれ、会員各社
同士で利用者の本人情報や債務情報などを共有しているところだ。銀行の住宅ローンであれクレジット
カードであれ消費者金融であれ何かしらの信用供与産業を利用すれば、いずれかの信用情報機関
に登録されることになる。アナタの「信用人生」の始まりである。

 

 

●自社与信システムのしくみ
クレジットカード会社と消費者金融会社では、その与信方法が少し異なる。前者の多くが「属性ポイン
ト制」を採用しているのに対し、後者のそれは「属性モデル像」を基本としている点だ。「属性ポイント制」
とは、いうなれば加減方式の考え方で、最終的な総合ポイントにより契約の可否や利用限度額を決定
するやり方だ。たとえば、会社員であれば「3点」、自営業者であれば「1点」とか。住居においても持ち家
所有なら「3点」、賃貸マンションであれば「1点」といったように、各々その属性に対してポイントを付加して
いき、結果トータルで「20点以上」なら契約可で利用限度額50万円、というようなしくみが構築されている。
一方「属性モデル像」とは、過去の膨大な取引(顧客)データからアナタにいちばん近い属性を持つ人を
モデル像としてピックアップする。そのモデル(複数の場合もある)が新規契約後、どのような利用履歴をた
どっているかを検証し、そこからアナタの”未来”の利用状況を予測する。そして、最終的に契約の可否や
利用限度額を決定するやり方だ。とくに後者の審査の場合、その”盲点”として「同一属性モデル像の人
は同一人物と見なされる」場合が多い。たとえば、アナタに近いと判断されて抽出されたモデル像が、
以前、当社においてズサンな利用の常習者だったとしよう。必ずしもアナタが「ズサン」というわけでは
ないが、ここではシステム上、アナタは「ズサンだ」と判断される場合がある。単なる”とばっちり”に過ぎない
不運だが、同じ属性モデル像と出た以上、AはダメでBはイイという融通があまり利かない。それがデジタル
の特性でもあり、また欠点でもある。しかし、なぜか「大方当たっている」のもまた事実なのである。

 

●借用情報機関のしくみ
自社の与信システムがどれほど優れていようとも、それは自社内で通用するものであって、他社の詳細な
利用状況を把握することは不可能に近い。新規申込時、利用者自身に他社利用状況を記入させる
項目も用意しているが、それをまるまる鵜呑みにはしない。第一、アナタも正直に白状しない、と思う。
そこで、他社利用状況を調査する目的においても、自社が加盟する外部の信用情報機関を頼ること
になる。各信用情報機関には、同機関に加盟する会員各社の顧客情報や債務情報が統合・管理
されている。顧客情報とは、本人の氏名や住所、電話番号や勤務先等々のことを表し、債務情報
とは当人がいつどこでいくら利用して返済日はいつで等々を表す。いまでは、同機関の存在を抜きに
して信用供与業態は成り立たないと断言していい。新規の契約時のみならず定期的に行われる途上
与信においても、絶対的な影響力を持つ情報であり、また機関でもある。

 

現在、日本には「5つ」の信用情報機関があり、各々、業態別に積み分けが行われている。各社それぞれ、
どの機関に加盟するかは入会条件さえクリアーすればまったくの自由だが、一部制約がかけられているとこ
ろもある。たとえば、銀行(その同系列を含む)は『全国信用情報センター連合会(全情連)』や『テラネット』
には加盟できない。よって、その機関が所有する顧客&債務情報を照会することも不可能なわけだ。当該
機関の情報は、その加盟会員各社のみで共有されているものである。この「5つ」の信用情報機関のな
かで、イチバン情報精度の高い機関が『全情連』である。これは、同機関の理念でもある「全件登緑」
を会員各社に義務づけていることに依るところが大きい。『CIC』も2001年から「全件登録」を会員各社
に義務づけるようになったが、それまで3機関(テラネットは新設なのでここでは除いたが、同機関も営業
開始時より会員各社に全件登録を義務づけている)では会員各社の自己判断に委ねた「任意登録」
しか行われておらず、それが情報精度の”甘さ”につながっていたと見られている。