信用情報機関が各業態から個別に発生した機関といっても

CRINの基礎知識

信用情報機関が各業態から個別に発生した機関といっても、そこは”商売上”手をつないでいる部分も
ある。それが「ブラック情報」の共有化で、一般に「CRIN」と称されているシステムだ。自分たちのカテ
ゴリーのなかで「悪さ」をやらかした利用者をオミットすることはたやすい。しかし、他のカテゴリーで「悪さ」
をやらかした利用者を分別するのは、システムの構造上不可能に近い。なぜなら、各機関とも単体で
形成され”横のつながり”を持っていなかったからだ。そこで『全情連』『CIC』『KSC』の3機関がお互いに
妥協点を見つけ、「不良客」に限ってその情報を共有化し始めたのが発端となっている。この世界は、
一見すると断片的な連携としか見えない構図となっているが、複雑に絡み合った糸を解きほぐすとじつは
「1本」につながっている産業なのである。つまりこの業界では、一回でも「致命的な悪さ」をやらかした
人を「徹底的に排除」している。それが健全な社会を維持し、また業界自体の安定保持にもつながって
いるわけだが、実際のところは、利用者のモラルハザードを危惧しているところもある。すなわち、安易に
「不良客」を見逃してしまえば「正直者はパカを見る」じゃないが、真面目な利用者にも悪影響を与え
かねず、それは業界にとっても致命傷になりかねない。さて、「CRIN」によって交流される「不良客の
お達し」が、世間でいわれるところの”ブラックリスト”というやつだ。正式には「異動情報」「事故情報」
と呼ばれているが、まあ呼び方は世間に倣って俗な言い方のほうが耳に残るし、だいいち分かりやす
くていい。消費者金融やクレジットカード会社は、審査の際、自社が加盟する信用情報機関で「ホワ
イト情報」を照会し、「CRIN」で「ブラック情報」を照会する。これら2つの情報は「一括照会」される

場合が多く、新規契約時、アナタの情報を”シロクロ両面から”調べている。これによって、より正確で
確実な信用情報が得られるようになったわけだ。

 

【CRINの盲点】
ただ、この「CRIN」にも少なからず「盲点」がある。イチバン大きな”穴”は、ブラック情報として交流する
基準が必ずしも3機関で統一されておらず、あくまでも各機関の基準によって定められた情報のみが
交流されている点だ。カード利用における「事故」は基本的にどれも一緒のようなものだが、じつは
そこに微妙な解釈の違いも生じているのである。また、利用者が錯覚しやすい点に「事故情報=
全部CRINで公開」とする見方があるが、これは間違いだ。各機関とも自分のところのブラック情報の
”一部静しか”CRINで交流していない。一例をあげると、『全情連』内では「任意整理」を事故情報
と定めているが、じゃあそれを『全情連』側が出す情報として「CRIN」で交流しているかといえば、答えは
「ノー」だ。すなわち、アナタが『全情連』加盟の消費者金融などで「任意整理」をしてしまったとしても、
それは「CRIN」で交流されず、『CIC』や『KSC』に加盟するカード会社には”見えない事故”となって
いるのである。ここが「盲点」となっているところで、悪党どもは債務整理経験者など客の”無知”につけ
込んで「CRIN」のブラック情報を外しますよと甘い誘惑の声を掛けて引っかけたりする。なぜ、「CRIN」
交流の基準が統一されていないかというと、これは「お互い、お客さんを奪われたくないから」に尽きよう。
結局のところ、3機関とも表向き垣根なく手を組んでいるように見えるが、ウラでは三者三様の思惑を
働かせているネットワークなのである。