お金の有る無しに関わらず、

規約読解の基礎知識

「おめでとう!」と率直にいっていいのかどうかは分からないが、何はさておき関門はクリアした。与
信額の一喜一憂はあるだろうが(これがイチバン大事か?)、ここは「個人情報タダ渡し」になら
なくてよかったとポジティブに捉えよう。これから先のアナタの頑張り次第で、与信額はいくらだって
上げることができる。もちろん、その意思に反して下げられることだってあるが。

 

さて、本契約である。といっても、たいしたことを説明してくれるわけではない。与信額に対する
「契約意思」を再度確認され、会員規約をさらっとなぞり、しいていえば返済方法については
ちょっと時間を取って説明してくれるぐらいだ。間違っても、契約書の裏面にびっしりと記載されて
いる規約をひとつひとつ懇切丁寧に説明してくれることはない。アナタもそれを求めてはいない
だろうが、求めることは可能だ。ここで、うんちくを披露するのもヨシ。疑問点、不明点はジャン
ジャン質問してみよう!

 

【会員規約はココを読め!】
当然、一言一句、スミからスミまで漏らすことなく全部読んだはうがいい。それが”自分のため”
になる。しかし、現実問題として「それを全部読むヤツはいない」と思う。世の中は不思議なも
ので、「お金を使うヒマはあっても、契約書を読むヒマはない」という人がなぜか多い。それも理解
できないわけではない。「読んでくれるな!」といわんばかりの文字の小ささ。そして、規約がゆえ
小難しい専門用語も散りばめられている。さらに何より厄介なのが、奥歯にモノが挟まったような
遠回しの表現方法による論調だ。こんなのだれだって読みたくないし、また読破することも少ない。
もっと線本的かつ容易な解読が可能になれば、それにまつわる「事故」も”減る”と思うのだが・・・。
ま、講釈はさておき、基本的に、業者にとって都合のいいことしか書かれていない会員規約
だが、「とくに、利用者は注意しておきたい」項目をピックアップして解説しておこう。

 

●利用限度額
各社が自信を持って厳格に審査し、それに対して具体的に「金銭」という基準で表したのが利用
限度額だ。利用者はココの高低に一喜一憂し、そして自分の「信用度」を計り知ることとなる。
それが低い(と自分で感じた場合)と、何となく「世の中から信用されていない」ような錯覚を覚え
てしまうから不思議だ。カードを利用するうえで”コレが設定されていなければ”それを持つ意味は
ない、といっていいだろう。正真正銘の新規契約者なので必ず利用限度額が設定されていると
思うが、世の中には契約後の取引状況により幸か不幸か「利用限度額ゼロ」の”設定額”を
持つマニアもいる。さて、ここで注意しておきたいことは「当社が相当と認めた場合」、その利用限
度額が変動するということだ。これが増額、減額を指し示す部分だが、ここではその昔葉の
『主語』を徹底把握しておきたい。「相当」というからには「かなりの程度」と捉えることができる。
さもすると「些細なこと」は”含まれていない”ような印象を抱いてしまいがちだ。しかし、その解釈
は常に「当社(業者)」が行うのでありアナタではない。すなわちアナタが「些細なこと」と思って
いても、当社(業者)が「相当」と判断すればそれが”答え”となる。そして、些細なことであれ
大層なことであれ、すべてを引っくるめて「相当」と抽象的に表現したがるのも当社(業者)の
特性のうちのひとつだ。

 

●届け出事項の変更
アナタが最初に記入した住所や電話番号に変更があった場合、それを届け出なければなら
ない。そりゃ、引っ越しによって現住所などがガラッと変わればそれはひとまとめで届け出やす
いと思う。しかし、ひとつふたつの「小さい変更」を逐一届けるのは、たとえ電話1本の連絡で
済むことであってもちょっと厄介だと感じる場面もあるだろう。その変更事項のなかで、利用者
が届け出を怠りやすいのが「勤務先」だ。そして、その変更のなかで業者が気付きにくいのも
また「勤務先」なのである。通常利用している限り、業者は絶対に勤務先に電話を掛けて
こない。それは、お互い暗黙のルールである。逆に、自宅電話番号なり携帯電話なりを確実
にあきらかにしておけばそれで用は足りると利用者は考えがちだが、そこに落とし穴がある。
「勤務先」というのは、イコール、アナタの収入源先だ。すなわち返済に直結する部分である
以上、業者はそれを完全に把握しておく必要がある。また「捕まらないとき」の最悪な状況
も考えて、住まいであれ勤務先であれ、アナタの居場所を確実に抑えておきたい事情もある。
新規契約時、マンパワーで確認された事項に「現住所」「電話番号」「勤務先」があったが、
裏を返せば、いかにそれを重視しているかの表れでもある。とくに届け出変更の忘れは、
いわゆる「相当と認めた場合」に当たるわけで、業者は債権保全を盾にカード利用一時
停止や減額を実行してくる場合もあるので細心の注意を払いたい。

 

●期限の利益の喪失
「期限の利益」とは、利用者は返済期隈までは返済しなくてもいいですよという”ある意味、
当たり前のこと”だが、返済に遅れてしまったり、契約内容に虚偽が見つかったときなど、
即刻全額返済を要求される場合もある。これを「期限の利益の喪失」といい、その条項内に
「つぎに該当する場合」として細則を出して説明している。「返済に遅れてしまった」という
「遅れた」の範囲は、基本的に「うっかり忘れ以上」だ。すなわち1日でも遅れた場合、
その瞬間からスグに「全額一括返済」を求められる可能性も生じてくる。といっても実際
問題、各社はそこまで厳格に取り扱っているわけではない。あらゆる延滞者をしらみつぶし
にでもするようにこれを片っ端から行使すると、利用者が「ゼロ」になりかねない。当然、
営業上ヨロシクない。よって、重大なコトにでも発展しない限りそれを行使することは
非現実的だ。逆に、たとえ「うっかり忘れ」であっても、もしそのカード会社が「期限の利益の
喪失」をアナタに対して行使すれば、それに従わざる得なくなってくる場合もある。「1日遅れ
ただけじゃん!」という文句は通用しない。

 

●消費者信用団体生命保険
とくに住宅ローンを組んでいる人には馴染みのある保険だが、消費者金融やクレジットカード
会社でもアナタを被保険者として同保険を掛けているところは多い。業界内では、通称
「団信」といわれる保険のことで本契約者(アナタ)が死亡・重度障害で返済不能に陥った
場合、消費者金融に保険金が下り本契約者の残債務に充当されるしくみになっている。
毎月の保険金は契約した会社(アナタが利用している消費者金融)が支払ってくれるので、
利用者個々人がそれを被ることはない。こうやって記すと「で、何が?」とキツネに摘まれた
ような印象を覚えるかもしれないが、生命保険である以上これは”人身保険”の何ものでも
ない。つまり、アナタが同保険の条項に掲げられているような状態に陥ったとき、業者はアナタ
の残債務を保険金でカバーするのだ。もはや死亡してしまえば借金のことなんてどっちでも
いいことなのかもしれないが、少なくともこれから真面目に利用しようというのっけから死亡
したときのための保険を掛けられているのである。しかも、この件に関して業者からの説明
は皆無に近く、しいていえば、心配性の申込者が「死亡した場合、借金はどうなるん
ですか?」と純粋に質問したときぐらいしか説明は行われない。そりゃー、死亡後に借金
が残ろうが保険金で精算されようがカンケーねぇよといってしまえばそれまでだが、これに
ダメを押すような「気の悪い」話が両業界の間に転がっている。消費者金融と保険会社

の間では、この保険は一種の「お約束」的な保険として取り扱われている。消費者金
融側は利用者分の保険料を全額負担するわけだが、これは保険会社にとって「毎月の
定期的な収入源」となる。一方、保険会社側はそれの”見返り”として、消費者金融側
に「継続的な融資」を実行するのである。つまり、「収入を得たい側(保険会社)」と
「融資を受けたい側(消費者金融)」、お互いの利害関係が一致したところに「団信」
が潤滑油のごとく”注入”されているのである。