大手3社における新規申込者の契約率を見てみよう

契約仲間の基礎知識

大手3社における新規申込者の契約率を見てみよう。各社とも「60〜70%前後」といったところで
ある。共通事項として「微減」が続いているのが推移の特徴だ。すなわち、新規契約率はここ
数年、年々低くなってきているのである。「60〜70%」という数字は、単純に「3人に2人は契約して
いる」ということだ。つまり「1人」は確実にハジかれている。「消費者金融はだれにでも貸すところ」と
記したが、数字上そんなに甘くはない。厳密にいえば、大手3社に限らず消費者金融全体が「だれ
にでもお金を貸さないところ」にシフトしてきている。これを消費者金融側から見ると「融資できない
お客さんが増えた」という言い方で表現する。そして各社、この状況を異口同音に「当社の審査を
クリアできない新規申込者の方が増えた」と捉えている。だが、この見解は正直判断に苦しむ部分
もある。景気情勢の悪化で、一般個々人の財政状況は芳しくない。まして、失業率の増加や
雇用形態の激変で、継続的かつ安定的な収入確保が保障されていないという側面も多分に
ある。ただ、何も申込者側すべてに起因している事象ではない。各社とも、新規契約時における
審査基準を厳格にしたという側面も作用しているからだ。審査の厳格化は、貸倒による増加が
主因となっていることはいうまでもない。すなわち、両者の事象が反発し合った結果として契約率
の減少が続いているのである。そこで、素直なギモンを感じてしまう。消費者金融というのは、
つまるところ「一般庶民にお金を貸してナンボ」の商売である。それを「債権保全」という自分たち
のホンネを第一として捉え、審査を厳格化し、そして新規申込者をことさら厳選するのは、

消費者金融業としてある意味”本末転倒”といえなくもない。まあ、小難しい話はここまでにして、
消費者金融各社の審査は、ある面、全金融機関のなかでシビアなところだといっていい。なぜなら
銀行が担保を見て融資するのに対し、消費者金融は人間を見て融資する。額の大小こそあれ、
どちらが心眼に長けていなければならないかは自明の理であろう。「だれにでもお金を貸していた
時代」は、遠い昔のこと。いま、新規申込者が消費者金融で契約を成立させるには、それ相応
に困難なこととなってきているのである。

 

●初回平均貸付額
消費者金融を利用するイチバンの目的は「融資を受けること」だ。そりゃあ、その前に「契約」が
成立してのことだが、申込者の意識はその前から「いくら貸してくれるか?」に飛んでいるはずだ。
捕らぬタヌキの皮算用といわれようが、それが申込者の本音であり、またそこにこそ絶対的価
値があるといえよう。大手3社における初回の平均貸付額を見てみよう。これは各社審査に
よって決定される「与信額(イチバン最初の利用限度額)」の平均額ではなく、新規契約者が
その与信額の範囲内で初回に借入した(融資を受けた)金額の平均額だ。正直なところ、
これが高いのか低いのか判断が付けづらい。なぜなら、新規契約者であるお客さんの”希望”
に依るところが大きいからだ。ただ、新規契約率の項にも記したが、基本的に各社「与信の引
き締め」が行われている現状から推測すると、そもそもの「与信額」自体低く抑えられている
傾向があり、よって初回の借入額も低くなってきているという推測は容易に立てることができる。
とくに、貸倒の増加が顕著になってきたここ数年は、消費者金融においても「貸し渋り」が
公然となされている点は見逃せず、利用者自身も「借り控え」の意識を強く持つようになって
きている。また、ここには社会問題化している「過剰貸付に対する抑制」も働いている。
その与信結果から優良客レベルであっても、与信額を抑える傾向は強い。最初は低く抑えて
おいて、その取引経過を見てから徐々に引き上げるというパターンがほとんどだ。これはリスク

ヘッジという側面が強いが、そのほかに考えられることとして新規契約者に対する見極めが困難
かつ複雑になってきている側面も作用している。すなわち貸金業の基本理念である「だれに、
いくら貸せば、ちゃんと返ってくるか」が、すこしずつ壊れてきている証左でもある。そうなると、
必然的に「お試し期間」なるものを設けざるえなくなってくる。いわゆる「様子見」で、その期間
内はとてもじゃないが高額を融資するわけにはいかない。貸す側にも微妙な”ズレ”が生じて
きているのである。といっても、正味「本人確認書類ポッキリ」で、15、16万円も貸しても
らえれば”オンの字”ともいえるが。

 

●性別
この業界、昔から「男性7:女性3」の構成比が続いている。男性は少しずつ経済力を失い、
逆に女性はすこしずつそれを付けてきている現状から、近い将来「6:4」を記録する日もそう
遠い日のことではないのかもしれない。

 

●年齢
大手各社のメインターゲットは「20〜30歳代」なので当然の構成比である。逆に「60歳以上」
がたとえ数パーセントであっても存在するのがミソか? 人間、いくつになっても「お金」は必要
なものである。

 

●広告量伝費
最後に、”オマケ”として新規契約者一人を獲得するのにどれくらい広告宣伝費を費やしたか
を見てみたい。広告宣伝費全額が必ずしも新規顧客の獲得のみに費やされている経費では
ないが、媒体を問わずその性質上、やはり「はじめての方」に対する訴求や認知度の向上を
目指している意図が大きく、ここでは半強引にそう定義づけてみた。一見すると、平均的に
『プロミス』のそれは高く、逆に『アイフル』は低い。「2003年」などは、両社とも広告宣伝費
自体はそう大差ないが、新規契約者数に大きな差が生じているため、結果「約1万円」の
差がついた格好となった。といってもだ。ここで重視されるのはその高低ではなく「コストパフォ
ーマンス」であることはいうまでもない。各社におけるそれが何を指しているかといえば、
いかに「いいお客さん」と契約したか否かがことさら重要であり、また検討すべき内訳である。
新規契約者を一人獲得するに当たり、それが高くても真面目な利用者が多く含まれて
いれば「生きガネ」と考えることができるし、低くても不真面目な利用者が多く含まれていれば
「死にガネ」に変わってしまう。当然、「低経費&いいお客さん多数」がコストパフォーマンスに
優れているわけだが。