消費者金融は「はじめての方」がことさら好きだ。

消費者金融の基礎知識

消費者金融は「はじめての方」がことさら好きだ。近年、各社ともその傾向がはなはだ顕著になってき
ている。しかし、字面で表記すると同じ「はじめての方」でも、大手とそれ以外の各社では意図する
客層があきらかに違っているのもまた特徴的な傾向である。基本的に、大手がいわんとする「はじめ
ての方」は、『正真正銘の消費者金融未経験者』を指している。自社の利用は当然として、他社
の利用もまったくない人のことである。一方、それ以外の各社がいわんとする「はじめての方」は、
『自社利用がはじめての方』とした意味合いが強い。消費者金融界はすべてにおいて「連鎖の構造」
が作用する。大から中へ、中から小へ。

 

また、上流から中流へ、中流から下流へ。すべてがこれを常道として捉えている。貸付融資残高の
順位が、単に会社規模の大小を表しているだけでなく、それは利用者が実際に利用を考える順番
にもそっくり移行させることができる。いまアナタが、消費者金融の利用を考えたとしよう。まず、「どこ
で借りようか?」と純粋に考えるはずだ。おおよそ考えられる範囲で、大手やCMなどで見る会社の
なかから目星を付けるだろう。それは”フツーの感覚”だ。突拍子もなくスポーツ新聞や夕刊紙を
広げて、怪しげな三行広告あたりに掲載されている会社に勢い余って申し込んだり…、というような
行動はまず起こさないと思う。そうを考えると、何も大手が躍起になって「はじめての方」を強調しなく
てもいいように思える。黙っていても客は来てくれる。

 

そりゃあ、申込に来た人すべてに融資することは経営上不可能だが、それでも「良質な客」が集まり
やすい環境にある。つまり「お客さんを自社の都合で選別できる」わけだ。しかし、それらが分かって
いても「はじめての方」に対するアナウンスはますますヒートアップする。間違っても、アナタのキャッシング
ライフを全面的にお手伝いしたい、と考えているようにも到底思えない。ズパリ、それは「返済先」の順番
にも連鎖するからにほかならない。「最初に借りた」ところが、まず最初に返済がくる。当然だ。ということ
は、利用者の”蛇口の先端部分”さえ抑えておけば、あとは何が来たって構やしない。とかく、悪例の
ひとつとして取りざたされる「自転車操業」も、じつはこの連鎖の”副作用”にすぎない。

 

さらに、消費者金融は自社の債権の上に他社の債権を積まれることは少なからず容認するが、他社
の債権の上に自社の債権を積むことを極端に嫌う。これは即「債権の質」に影響を及ぼすからだ。
上記の考え方を「オセロゲーム」にたとえてみると、一番下というのは「四隅のマス」のことだ。ここに置く
と決して「反転」しない。しかしそれ以外のマスはいかようにも反転させられる場合がある。すなわち、
自社の債権が一番下にある他社の債権に、突如「ひっくり返る」ことも考えられるわけだ。常に
「1番目」は不動だが、それ以下は可動だ。金融ビッグバン以降、「金融資産」という耳障りのいい
言葉が巷間聞かれるようになってきた。一見、貯金(余裕資金)のみを対象とした言葉のように思える
が、これは借金向けのそれと解釈することもできる。貯金が現在の資産をターゲットにしているとすれば、
借金は”未来の資産”をターゲットにしている。大手各社は、そこに狙いを定め「はじめての方」を喝破
しているのである。