消費者信用産業のなかで「延滞」をしてしまうことは

困った時の延滞知識

消費者信用産業のなかで「延滞」をしてしまうことはできれば避けたいことだ。それが決して悪意のな
い「うっかり忘れ」であっても「たった1日」という安直な考え方は、これから先「信用人生」を歩んでいく
うえで命取りになりかねない。1日でも10日でも「延滞は延滞」である。まず、これはしっかりと肝に銘
じておきたい。ただ、それは相反する大きな落とし穴にハマってしまう危険性もはらんでいる。「延滞」
を避けるために「キャッシング」をし、そして「その借金の延滞」を避けるためにまた「キャッシング」を
する。つまり、自転車操業に陥ってしまうことだ。それがいま社会問題化し、多重債務者や自己
破産者の増加の主因となっているのは周知のとおりである。冒頭「できれば避けたい」と、少し表現
方法を抑えぎみに記したのにはワケがある。本来であれば、「延滞は絶対に避けるべき」と断定すべ
きところだ。ただ昨今、その言葉自体が”強迫観念”にすり替わり、それを維持したいがために重大
な事故に発展する例が増えてきている。そんな事情を顧みて、ここでは意図的に表現を抑えてみた。
「延滞」を進めるつもりは毛頭ない。それによってクレジットカードやべつの消費者金融の新規契約
が困難になったり、各人の利用状況に少なからずダメージや不利益がハネ返ってくるからだ。しかし、
ここでは「延滞完全否定」の態度を取るつもりもない。なぜなら「延滞をする」ことにより、より重大
な事故に陥らない場合も多々あるからだ。モノは言いようなのかもしれないが、重大な事故の前
では「延滞」など”小さなコト”だと捉える考え方も必要であろう。ここでは、その「延滞」について少し
理解を深めてみようと思う。

 

●延滞の”質”を理解しておく
大手4社の「債権管理状況」を一覧としてまとめ、そこに各社が共通で加盟している全国信用情報
センター連合会(全情連)が定義する延滞の条件も記してみた。延滞日数の取り方や債権管理
名称の違いはあるだろうが、クレジットカード会社や他の消費者金融の債権管理も、おおよそこのよう
な感じで切り分けされている。延滞日数が「0」というのは、通常利用のことだ。はとんどの利用者は
これを超えることなく利用しており、健全な利用のバロメーターの目印といっていいだろう。ここでは何
を把握しておきたいかというと、「延滞」にも2つの種類が存在するということだ。ひとつは「自分が利用
している会社の延滞」であり、もうひとつは「信用情報機関の延滞(ここでは全情連の延滞)」であ
る。これら2つはさも同等のものとして解釈されがちだが、現実では”まったくの別物”として取り扱われ
ている。当然、多くの利用者は「前者の延滞」に気を配っているはずだ。というか、実際のところ「後者
の延滞」ははとんど意識していないと思われる。では、消費者信用産業内においてこの2つの「延滞」
はどう捉えられているのだろうか? それを正確に把握していれば、”万が一”という局面で役に立つ
場合も多い。絶対的な”価値”があるのは「後者の延滞」、つまり「信用情報機関の延滞」とされ、
これは不変だ。極論すれば、多くの利用者が意識している「自分が利用している会社の延滞」は
”マクロ”なものである。なぜならそれは所詮自社内でのみ取り扱われ、また完結されるレベルのもの
にすぎないが、「信用情報機関の延滞」は「CRIN」を介して、即消費者信用産業全体に波及

してしまうことを意味する。つまり、この「延滞」を犯してしまうと、「CRIN」によって「お達し」が伝達
され、アナタ自身が「消費者信用産業界からほぼ追放」されてしまうことになりかねない。「自分が
利用している会社の延滞など”小さなコト”」とする言質はここに込められている。どうしても目の前
の「延滞」にのみ意識が行き、それが自転車操業に陥ってしまう引き金となっている一面も現実
としてある。「延滞」が長引くことにより利用者はパニックに陥り、そして精神的にも追いつめられる。
しかし逆に考えれば、この”死線”さえ把握していれば決定的な事故に発展することは少なく、
またそこに利用者を踏み入れさせることのないよう各社は債権管理を細分化しているのである。

 

やむを得ず延滞をしてしまう場合、それがたった1日間であろうが10日間に及ぼうが「まず、自分から
連絡を入れるべき」である(さすがに10日間も延滞すると、その間に相手から連絡が入る)。その
タイミングは当日で構わないが、あきらかに遅れることが判明している場合は前日のほうがベターだ。
電話一本を入れることによって、その後のキャッシングライフがまったく違うものになってくる。そりゃあ
「うっかり忘れ」による電話連絡は現実問題として”不可能”かもしれないが、それでも事後報告
のケアとして「遅れてスイマセン」と一報を入れておきたいところだ。「延滞」をしたという事実が消
えることは決してないが、「この利用者は延滞をしても大丈夫」という”信用”を少なからず与える
ことはできる。コレ、単なる”数字稼ぎ”のような瑣未な対応に見えて、意味するところはかなり大
きい。もし、連絡を入れずに「延滞」をしてしまった場合、消費者金融各社はどこの会社の督促
電話が早い遅いというよりも、「利用者」によってオンオフを切り分けていることが多い。「この利用
者は大丈夫だ」と判断すればあえて急かすようなマネはしないし、「この利用者はヤバい…」と判断
すれば速攻で電話連絡が入る。おおまかにいって「はじめて延滞をしてしまった利用者」にはスグに
電話連絡を入れる場合が多い。会社にとっても、また利用者にとっても「延滞」に対する”免疫”
がないからだ。そして昨今の貸倒や多重債務の現状も踏まえ、「はじめての延滞の方」にはとくに
敏感に反応する。ここでも、べつの意味で「実績」が必要なのである。金銭的には、約定返済日
の翌日から各々の年率によって定められた「遅延損害金」が発生する。消費者金融の場合、

このレベルの延滞は”ほぼ日常茶飯事的”なこととして発生しているが、だからといってそこに甘
えが生じてしまうと危険だ。「1、2日間だったら大丈夫」というのは利用者の勝手な解釈である。
たとえ1日でも、それが2、3回と続き常習化されれば「利用限度額の減額」という形でハネ返
ってくる。そして改心後、お利口サンになったからといってその「減額分」が”再生”される可能性
は極めて低い。ところで、自分が利用している会社の「うっかり忘れ」はそれで済むかもしれない。
しかし、自分の債務情報などが管理されている信用情報機関における取り扱われ方を知る
術ははとんどない。ここでは、『全情連』のそれを例にとって見ていくことにしよう。他の借用
情報機関でもおおよそ同じような対処が取られている。

 

●全情連の「延滞」を、ぺつの角度で提えてみると…
全情連における「延滞」は、「入金予定日から、3か月間未入金」と厳格に定義づけられている。
逆にいえば、この条件に合致する延滞以外、全情連では情報上の延滞として取り扱わない。
まず、この点を抑えておく必要がある。では、利用者と消費者金融の間において、日常取引で
多々発生すると思われる「延滞」(ここで記す「延滞」とは、うっかり忘れであったり、4、5日間
遅れてしまった等々)は、全情連ではどのように処理されているのだろうか? 会員である消費者
金融各社は、本人要件情報(住所や電話番号など)やその貸付情報(貸付日や残高金額
など)に変化が生じるたびに、全情連に報告しなけければならない。会員各社にとっては、重要
な「日常業務」のうちのひとつだ。これは信用情報機関の事務ガイドラインにも記載されており、
会員各社には義務づけられている。ちなみに、それを怠ったことが発覚すれば、全情連から
該当する会員(会社)に注意勧告がなされたり、場合によっては、除名という厳しい処分も
下されるようだ。その貸付情報のひとつに「入金予定日」という項目がある。「次回の返済日」
のことだが、結果として、これが「うっかり忘れレベルの延滞」を指し示すことになる。たとえば、
【J社】という消費者金融を利用していて、入金予定日が「3月10日」となっていたとしよう。
その期日以内に返済をすれば、会員(J社)からの報告で入金予定日が「つぎの入金
予定日」に更新される。しかし、期日を過ぎても返済がなければその入金予定日は

「3月10日」のままだ。これを、全情連加盟のべつの消費者金融(たとえば【Z社】)が「3月
15日」に、途上与信のため当人の照会をしたとしよう(この人は、J社とZ社の2社を利用
していると仮定)。J社の入金予定日を見れば「3月10日」のままで、「こりや、延滞して
いるな」と合点がつく、というカラクリだ(ごくまれに会員の報告忘れでそのままになっている
場合もなきにしもあらず。あってはならないことだが…)。これは、テラネット会員が全情連へ
照会した場合にも同様の見え方となっている。もちろん、4、5日間遅れたとしても、その
後ちゃんと【J社】に返済すれば、入金予定日は「つぎの入金予定日」に更新される。
たとえうっかり忘れであっても、その”延滞の事実”を照会した際に利用中のべつの会社が
見てしまった場合、少なくとも「いい印象は与えない」と容易に想像がつく。それが引いては、
利用限度額増減時のファクターに微妙に影響を与えることも十分考えられるだろう。
以上のように、全情連では、「うっかり忘れレベルの延滞」は”延滞”という付和がなくとも
返済が遅れていることを把握できるしくみとなっている。